ピックアップ記事

 

《フジテレビ問題》上司から「休日に今何をしているのか写メを送れ」と…2018年に報じられていた“ハラスメント”とフジ社員らの声
 


(出典 live.staticflickr.com)


 

 4月1日入社式。希望に燃える若者は多かったに違いない。しかし入社先が次のように報告されていたらどうだろう?

「人権意識が低く、セクハラを中心とするハラスメントに寛容」

衝撃的だがフジテレビのことだ。入社式前日の3月31日、フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビの第三者委員会が調査報告書を公表し、同局の体質を厳しく指摘した。今年度のフジテレビ新入社員はアナウンサー4人を含む35人が入社したという。中居正広氏の性暴力問題で渦中の同局だが、自分が変えようと誓う新入社員もいるのではないか。

2018年に報じられていたキャスターのハラスメント

だが現状は厳しい。というのも「フジテレビ上層部は今も何もわかっていない」と思えるからだ。理由の一つは反町理キャスターを使い続けていたことだ。報告書には中居事案のほかに「重要な社内ハラスメント事案」もあった。その中に「BSフジLIVEプライムニュース」の反町理キャスターのセクハラ・パワハラも記載されていた。ただ、反町ハラスメントはこの日突然明らかになったわけではない。すでに2018年に週刊文春が報じていた。なので少なくない視聴者はずーっと違和感があったに違いない(私もそうだった)。

報告書が出た日に反町氏は出演を取りやめたが、逆にいえば前日まで「全然問題ない」と皆で認め続けていたことになる。反町氏は40年近くトップだった日枝久氏に可愛がられていたという。

「日枝さんは政治好きで『プライムニュース』のキャスターだった反町理氏を取締役に抜擢。反町氏は、永田町の取材メモをいそいそと日枝詣での場で囁いていました」(政治部記者・週刊文春2025年2月6日号)

反町氏はハラスメントをとがめられるどころか、むしろ取締役に出世していたのだ。こうなると被害者は絶望的な気持ちになる。中居事案にもつながっているフジテレビの体質そのものだ。

反町ハラスメントは具体的にどのようなものだったのか。報告書は後輩女性社員2名(mとn)の証言をまとめている。

「休日に今何をしているのか写メを送れ」と…

反町氏が官邸キャップを務めていた2006年ごろ、政治部記者だったmさんは何度か1対1の食事に行ったところ、休日に反町氏からドライブに誘われた。そのまま三崎のマグロを食べに行き、花火を見て、そのあと横浜でホラー映画を見て、バーに連れまわされることで1日拘束されたことがあった。読んでいるだけで悲惨である。この出来事の後、反町氏からの食事等の誘いを断るようになったところ、反町氏は、業務上必要となるメモを共有せず、「原稿が遅い」などと不当な叱責を部内一斉メールで送信。さらに電話で怒鳴られたり、威圧的な口調で話をされたという。まさに理不尽大王だ。

2人目のnさんも政治部記者だった07~08年、反町氏に1対1の食事を誘われた。あるときから「休日に今何をしているのか写メを送れ」という趣旨のメールを送られるようになった。断ったところ、mさん同様、原稿が遅いなどと不当な叱責を部内一斉メールで送信したり、電話での論旨不明な叱責をされたという。楽しくもなんともないフジテレビである。

フジ社員らのアンケート

上層部の対応も酷かった。mさんが反町氏の行為を「なかったことにしないで欲しい」と訴えると、当時の専務らに呼び出された。専務はmさんの発言を遮ったり、テーブルを小刻みに叩いて圧迫しながら、反町氏の謝罪意向を口外しないよう求めたという。要は口封じである。

報告書では反町事案についてフジ社員らのアンケートも載せている。「まさに企業風土」「人事権を40年握っている日枝氏の存在がある」という声のほか、以下もあった。

・反町氏の件については、「そんなことわざわざ言うなんて」「昔のこと持ち出すなんて」という人もいた。それを訴えた女性は、社内で特定されて、描いていた方針ではない対応をされている。

 

・今回もそうだが、限られた男性陣で事を納めようとする傾向がある。相談先の人が皆がセクハラをしているので、相談をしても甘い対応になるのでダメだと思っている。

 

・反町氏はハラスメント気質があるのに役員にまでなっている。なぜこんな人が偉くなるのかと疑問に思った。

アンケートの声がフジの体質を物語る。ハラスメント相手が出世していく会社なら、弱い立場の人は声を上げられない。上げたとしても届かない。

永田町の議員会館で多くの人が目撃した反町氏

当の反町氏はつい先日までテレビで政治家やジャーナリストといちゃいちゃしていた。反町氏は出演者の本音を引き出す手腕もあった。たとえば自民党派閥の裏金問題で「キックバック」という言葉を私が最初に知ったのは田崎史郎氏(政治ジャーナリスト)が「プライムニュース」で喋っていたからだ。番組を見てよかったと思ったが、「田崎さん、知ってたならもっと前から言ってよ」とも思った。反町氏と気心知れた関係だったからこそペラペラ喋ったのであろう。

反町氏は政治家や大御所ジャーナリストの前ではツッコんだり、とぼけたりして独特の芸風を発揮していた。一方で社内では日枝氏の威光をバックに出世していた。いわば無敵のおじさんだった。これに部下へのセクハラ・パワハラが加わる。被害者の女性2人は20年近くたってやっと事実を世にわかってもらえたことになる。

注目の「プライムニュース」は4月2日に報告書の検証特集をしていた。タイトルは「日本の企業統治と経営の在り方は」。見どころは特集にいく前のその日のニュースだった。経済同友会代表幹事でサントリー会長・新浪剛史氏による「フジテレビへのCM再開を検討する段階」という発言をトップで報じていた。2番目は「民放連がフジテレビに厳重注意」。ニュースの順番が逆だろう。こういうところだ。

さて当の反町氏だが、日刊ゲンダイが最近の目撃談を載せていた。永田町の議員会館で多くの人が目撃したという。なんと4月1日のことだった。報告書が出て番組出演を取りやめた翌日だ。

目撃者はこう述べる。「与野党問わず有力政治家の事務所を次々と訪問。どうも番組を継続したくて政治の力を使おうとしているようなんです」。本当にこの通りなら呆れる。やっぱりフジテレビのエライ人たちは今も何もわかっていないのでは?

◆◆◆

文春オンラインで好評連載のプチ鹿島さんの政治コラムが一冊の本になりました。タイトルは『お笑い公文書2025 裏ガネ地獄変 プチ鹿島政治コラム集2』

(プチ鹿島)

第三者委員会の会見

(出典 news.nicovideo.jp)

CC CC

プチ鹿島って、紙面のメディアは崇高なジャーナリストって前提で語るのに、テレビ媒体になると疑いもなくこき下ろすんですね。恨みでもある感じですか?一般的感性だとどっちも等しくマスゴミでしかないですけど

No9 No9

こいつまだ処分されてないの?

 

ピックアップ記事

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事