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アジア製戦車を欧州へ 口火きったのは韓国K2 「兵器+交通インフラ」ビジネスから学ぶこと


(出典 upload.wikimedia.org)


ポーランドが、韓国からK2戦車とともに路面電車も購入しました。一見すると関連なさそうですが、ここには戦車も鉄道車両も製造できる、総合メーカーとしてのヒュンダイロテムの戦略がありました。

戦車の陰で路面電車も陸揚げ なぜ?

 ポーランド国防省は2022年6月13日、韓国のヒュンダイロテムからK2「ブラックパンサー」戦車を発注することを明らかにし、アジア製戦車が欧州で初めて採用されると話題になりました。それから半年後の12月5日には、ポーランドのグディニア港に到着した貨物船「BBCバール」から、第1便であるK2戦車10両、K9A1自走砲24両が陸揚げされ、アンジェイ・ドゥダ大統領とマリウシュ・ブワシュチャク副首相兼国防相も出席して引き渡し式典が行われました。

 そのとき、K2戦車とともに韓国から運ばれてきたものの、式典もなくひっそりと降ろされた車両がありました。それは、ワルシャワ市のトラム運営会社ワルシャワトラムがヒュンダイロテムに発注していた、路面電車車両「140N系」12両です。戦車と同じ船で運ばれてきたのは偶然ではなく、韓国の「オールインワン商談」で一緒に納品されたものでした。

 ポーランド韓国製戦車を採用した理由はいくつかありますが、ここには顧客のニーズを最大限取り込もうというヒュンダイのしたたかな商談展開がありました。ポーランドは防衛力強化のほかに公共交通機関の更新も計画しており、ヒュンダイはそこに目を付けたのです。

 ヒュンダイは戦車も鉄道車両も製造できるメーカーであり、戦車と路面電車を一括受注することで、価格・納期ともに競争力を高められます。戦車も電車も同じ輸送船で納品し、輸送コストまでも徹底的に抑え、結果、他メーカーよりも低価格かつ短納期を実現しました。

オールインワン商談はルーマニアでも

 この「オールインワン商談」はルーマニアでも展開されています。2024年6月、韓国のリム・カプス駐ルーマニア大使は「韓国防衛企業の1つであるヒュンダイロテムは、K2戦車だけでなく、列車や鉄道システムも製造しています。したがって、(ルーマニアの)インフラストラクチャ、特に道路と鉄道を近代化する際、同社は優れたパートナーになります。時間はかかるでしょうが、ヒュンダイロテムをはじめとする韓国企業は、ルーマニアの交通インフラを改善するための非常に良いパートナーになると思います」と現地メディアに語っています。

 ルーマニアウクライナと国境を接していることもあり、防衛力の強化を急いでいます。2025年現在、旧ソ連製のT-55並びに国産のTR-85系列を主力戦車として運用していますが、老朽化したそれらを西側製の新型に更新しようとしており、候補に挙がったのがドイツレオパルト2、アメリカのM1エイブラムス、そして韓国のK2でした。しかしレオパルト2は価格が最も高いうえに生産ひっ迫で納期も遅く、候補から外れます。

 2023年5月にM1が選定され、54両の調達が決まりましたが、ルーマニアは主力戦車を300両取得する計画で、全数をM1で揃えるというわけにはいかないようです。旧ソ連圏である東欧諸国には、交通インフラの泣き所ともいえる50tの道路重量限界があるのが一因で、これは旧ソ連ロシア戦車が最新のT-14「アルマータ」以外、50t以内に収まっている理由でもあります。M1は63tもあり、一方のK2は55tです。

 ルーマニア政府は交通インフラを近代化するため、2016(平成28)年から2030年までに合計360億ユーロを投資する一般交通計画(GTMP)を策定していますが、ヒュンダイはそこに目を付け、商談を展開したと言えるでしょう。

日本は三菱重工業などが担えそう?

 2024年には、黒海西岸に位置するコンスタンツァの港湾近代化計画に際し、ヒュンダイは無人搬送車(AGV)を提案。AGVは重量コンテナを自動的に移動させるシステムで、荷降ろしエリア~ドック間、および鉄道線路~荷降ろしエリア間の輸送を迅速にするものです。

 ルーマニアの鉄道と道路インフラ社会主義政権時代からほとんど投資されず、EUとNATOの中でも最下位レベルとされています。ヒュンダイロテムの「戦車+インフラ」の提供が実際にどのように実施されるのか、また貧弱な道路をK2の移送に耐えられるように改修するのかなど課題はありますが、インフラ整備は戦車のためだけでなく、社会経済全般に貢献します。

 韓国は国家ぐるみで、K2商談と抱き合わせで道路・鉄道網の近代化というパッケージ提案を行っており、トータルで経済関係を深めようとしています。2024年5月、ルーマニア国内ではK2の実弾射撃を含む実地試験が行われました。早ければ2025年内にも、K2が発注されるとの見方もあります。

 防衛力強化とは単に兵器だけ揃えても意味はありません。道路や鉄道といったインフラも防衛力の構成要素です。戦車が何台、自走砲を何台受注したというニュースばかり注目されますが、裏で「オールインワン」のような広範な外交通商が行われているのが実像です。単品のカタログスペックだけで商談が成立しているわけではありません。

 日本には三菱重工業をはじめとしたヒュンダイグループを凌ぐ総合重工業企業群が存在します。本気で防衛装備品の輸出に力を入れようとするなら、この競合相手から学ぶこと、日本ができることは多いはずだと筆者(月刊PANZER編集部)は捉えています。

演習で高速道路を走る韓国陸軍のK2戦車(画像:韓国国防部)

(出典 news.nicovideo.jp)

ASFASFASFA

ASFASFASFA

これにはグンクツ系パヨもダンマリ

ポンコツ

ポンコツ

日本の戦車開発って諸外国の開発とは逆に、発展性と整備性を犠牲にコンパクトかつ高性能を実現してて、発展性の無さは20年置きくらいに新型を開発することで補ってるんだよね。1種の戦車に何度も手を加えて何十年も使い続けるのが普通な諸外国とは相容れないんスよ。整備性クソだし。

森海幻夢

森海幻夢

日本は法律を変えないと戦車を輸出できないから現状を見て比較しようがない

ちょっさん

ちょっさん

韓国製の商品なんて誰も買わないから、戦車とか特殊な分野で勝負するほかないだけじゃないの?

うにごはん

うにごはん

タイトルに「アジア製」なんて付けんなよ。 ちゃんと「韓国製」って付けろよ。 アジア各国が恥ずかしいだろ。

あるてあ弐型

あるてあ弐型

休戦中の戦時国家(分断国家)だから死の商人が出来るってのは...?

ゲスト

ゲスト

アジア製と記載したら日本が迷惑するだろ。日本が戦争すると狂乱する奴等が無言だが。

はるちか

はるちか

アジア?韓国製じゃんよ

almina

almina

段差が登れなかった戦車だっけ?

kani

kani

これエンジンだか主要パーツが他国製なのに勝手に輸出するって決めて揉めてなかったっけ

めほ

めほ

これは絶妙にうまくやってると思うんだよね。隙間産業というか。金さえ出せば売る安かろう悪かろうっていう品で、政治的だったり金銭的だったり、入手先に困ってる国はこれしか選択肢がないことも多い。ある意味韓国以外にはできない仕事。

蒼志

蒼志

ちゃんとカタログスペック出ればいいですね。

胃愛

胃愛

韓国の見栄っ張りなところが良い方向に働き、高性能実現のために海外部品や外国技術に税金投入して安価で輸出するのであれば、本体はそこそこ高性能でお買い得になるだろうけど、アフターサービス韓国企業に任せるんか?

毛巣戸

毛巣戸

ビジネスから学ぶこと???日本に何かあれば目先のことに囚われて発狂する鶏より知能がひくい野*人がなんか言ってるな

毛巣戸

毛巣戸

自分らで整備すらできないものを他国に高値で売り付けて後のメンテナンスはできません。それが半島クオリティ

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