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『DEATH STRANDING 2』のトークショーが渋谷PARCOで開催。小島秀夫監督が語る新たなキャラクターとの絆と選択の重要性がテーマの作品。

(出典 Pixabay:TommasoSD)


小島秀夫 (ゲームデザイナー)のサムネイル
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60キロバイト (7,867 語) - 2025年6月30日 (月) 05:55

 

1. 小島秀夫監督のイベントレポート

2023年6月26日、東京都渋谷のPARCOで特別なトークショーが開催されました。
このイベントは、PlayStation 5用ソフトウェアである『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の発売を記念して行われたもので、多くのファンが参加しました。
登壇者にはゲームクリエイターとして名高い小島秀夫監督をはじめ、主人公「サム・ポーター・ブリッジズ」の日本語音声を務める津田健次郎さん、そして日本を代表する映画監督の押井守さんなど、豪華な顔ぶれがそろいました。
イベントは観客とのQ&Aセッションも行い、参加者の疑問にも答える形で進行しました。

2. 『デススト2』制作秘話

『デススト2』の制作は4年半にわたり続けられ、その間に小島監督は多くの苦労と感動を経験しました。制作中には大病を患い、人生最大のピンチを乗り越えることとなりましたが、それでも情熱を持って完成に導いたのは、小島監督が『デススト』という作品に込めた思いが強かったからでしょう。

本作は前作からの大きな進化を遂げ、特に人間模様の描写が深まりました。主要キャラクターだけでなく、新たな登場人物たちとの交流も描かれ、集団の中で感じる孤独感や複雑な心情が表現されています。小島監督自身も「演出には多くの苦労があったが、その甲斐あって多くの人に楽しんでもらえれば嬉しい」とコメントしています。

さらに、制作の背景には、デジタル技術と人との関係に対する小島監督の考えも反映されています。パンデミックの影響で一時は人とのつながりが見直されましたが、監督は「デジタル技術に頼りすぎず、自ら選択することが大切」と強調しており、そうしたテーマは『デススト2』の中でも重要な要素として扱われています。

このように多くの要素を含みつつも、まずはエンタメとして楽しんでもらいたいというのが小島監督の願いです。「身体が動く限りゲームを作り続けたい」と宣言する彼の情熱が、作品に息づいています。

3. ゲームに込めた“繋がり”のメッセージ

新型コロナウイルスの影響で、私たちの生活は大きく変化しました。社会的距離を保つ必要があったため、多くの人々はオンラインでの繋がりを強めましたが、それと同時に、実際に顔を合わせることの大切さや力強さを再認識したのも事実です。小島秀夫監督が手がける『DEATH STRANDING 2』は、まさにこの「繋がり」のテーマを深く掘り下げた作品です。

小島監督は、デジタル時代における「過剰な繋がり」に疑問を投げかけつつ、自ら選択することの重要性を強調しています。彼は、デジタル技術の恩恵を受けながらも、個々の選択がどれほど大切かをゲームを通じて表現しようとしています。この選択の大切さは、キャラクターを通じてプレイヤーに伝えられ、感情に訴えかける仕掛けが随所に施されています。

また、『DEATH STRANDING 2』では、新たなキャラクターとの出会いや、新たな物語が展開されていく中で、繋がりすぎている現代社会において、一人ひとりが持つ”身体性”の意味や価値を問い直す要素もふんだんに盛り込まれています。人間同士が物理的に顔を合わせ、偶然の出会いを経て築かれる「絆」こそが、真の意味での繋がりを育む鍵であることを教えてくれる作品です。

このように、『DEATH STRANDING 2』は、プレイヤーに繋がりについて考えさせると同時に、その中での自らの選択の自由と責任を提示します。ゲームを通じて、多くのプレイヤーが様々な形の人間関係の深さを体感し、日常生活に活かすことができるでしょう。

4. サムの新たな旅路とテーマ

『DEATH STRANDING 2』の物語は、サム・ポーター・ブリッジズが再び新たな旅路に挑むところから始まります。前作に比べ、サムを取り巻く環境は大きく変化し、新たに登場するキャラクターたちがその物語に深みを与えています。

ゲーム内でプレイヤーは、サムの複雑な心情や人間関係を体験します。新しいキャラクター、トゥモロウやレイニーといった人物が加わることで、サムの旅は孤独と温かみが混在したものとなり、プレイヤーにさまざまな感情を呼び起こします。

さらに、小島秀夫監督が演出するシーンでは、プレイヤーの感情が大きく揺さぶられます。特にサムが涙を流す場面では、ノーマン・リーダスの演技がその瞬間をより鮮明に、魅力的にしています。このようなシーンはプレイヤーに強く印象を残すことでしょう。

『DEATH STRANDING 2』は、その壮大なスケールにも注目が集まります。美しい風景と深い物語が交錯し、プレイヤーは広大な世界に没入することができます。サムの新たな旅路は、前作を踏襲しつつもさらなる進化を遂げています。

5. 最後に

現代のゲーム業界における象徴的な人物といえば、小島秀夫監督を置いて他にいないでしょう。彼が手掛けた『DEATH STRANDING 2』は、単なる続編の枠を超えた、繋がることの意義を深く掘り下げる作品です。前作『DEATH STRANDING』では、プレイヤーが広大な荒野を移動し、点と点をつなげることで築かれる人間関係を描きました。今作では、新たなキャラクターとの出会いや再会が、より多層的な物語を紡ぎ出しており、各種の選択がプレイヤー自身の手に委ねられています。

東京都・渋谷PARCOで行われた「DEATH STRANDING WORLD STRAND TOUR 2 in Tokyo」では、小島監督自身が、また一段と進化した『DEATH STRANDING 2』の魅力を語りました。開発に携わった人々が集結し、メディア向け合同インタビューでは、コロナ禍という未曾有の事態を経て、この作品がどのように完成されたかが語られました。特に、小島監督は自分の手で選び取ることの重要性を強調しており、テクノロジーが支配する時代において、何を選ぶかは個人に委ねるべきという考えを持っています。

このゲームは、物語を進める中で、ただつながるだけではなく、そのつながりに伴う責任や選択をも考えさせられます。また、プレイヤーは主人公であるサム・ポーター・ブリッジズを通して、デジタルでは表現しきれない身体性や、偶然の選択の重要性を体感できます。それは現代社会が抱える問題点を浮き彫りにし、プレイヤーに「繋がりすぎること」への問いかけを行うものです。

小島監督は、『DEATH STRANDING 2』を通じて、日常生活にも取り入れられる新たな価値観を提供したいと考えています。特に、この作品を遊びながら、プレイヤー自身が日常の中でどのように「繋がり」を捉えるのかを、見つめ直す機会を提供しています。そのため、ただエンターテインメントとして楽しむだけでなく、プレイヤーがこの経験を自分の生活に活かすことが期待されています。

『DEATH STRANDING 2』は、現在PS5で全世界発売中であり、小島監督の未来のプロジェクトにも注目が集まります。彼の独自のビジョンに基づいたゲームは、今後も私たちに新たな影響を与えていくことでしょう。

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