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日産自動車の株主総会で社長が業績悪化を謝罪、工場削減と再建計画が議論された。株主からの高額報酬批判も強まり、地元経済への影響が懸念。

(出典 Pixabay:JACLOU-DL)


日産自動車のサムネイル
日産自動車株式会社(にっさんじどうしゃ、英: NISSAN MOTOR CO.,LTD.)は、神奈川県横浜市西区に本社を置く、日本の自動車メーカー。 2025年2月現在の筆頭株主はルノー、日産は三菱自動車工業の筆頭株主である。ルノー・日産・三菱自動車の3社で「ルノー・日産
191キロバイト (22,325 語) - 2025年6月14日 (土) 12:45

 

1. 日産自動車の業績悪化について

日産自動車は、最近の業績不振を受け、非常に緊張感のある株主総会を開催しました。この総会は横浜市の本社にて行われ、イヴァン・エスピノーサ社長は冒頭で、業績悪化、工場閉鎖、人員削減について謝罪しました。さらに、業績回復の必要性を訴え、再建計画への理解を求めました。しかし、株主からの不満の声はやむことがなく、怒号が飛び交う異例の光景が広がりました。株主たちは、会社の利益が低迷する一方で、取締役に対する高額な報酬について強く批判しました。

日産は、2027年度までに国内外の車両工場を17から10に減らすと発表していますが、具体的な工場名は明らかにされていません。報道によると、神奈川県内の追浜工場や湘南工場が閉鎖対象として検討されており、地域経済に与える影響に懸念の声が上がっています。工場の閉鎖は、地域の雇用や経済に直接的な打撃を与えるため、株主からも問題視されています。

また、日産は昨年度6708億円の最終赤字を計上しました。この結果、4年ぶりに配当金が無配となり、株主からの反発を招いています。株主たちは、取締役報酬の見直しを求める声を上げており、報酬と企業業績の連動性の欠如に対する強い懸念が示されました。さらに、株主提案として、取締役報酬を業績に連動させるという制度の創設が求められています。

2. 工場閉鎖計画とその影響

日産自動車は、現在の業績不振に対抗するため、グローバル規模での再建計画を進めています。
その一環として発表された約7つの工場削減計画は、多くの注目を集めています。
この計画では、2027年度までに日本国内外の車両工場を17から10に減らす予定です。
ただし、具体的な工場名はまだ公表されていません。
報道によると、神奈川県の追浜工場や日産車体の湘南工場が候補として挙げられています。
この計画の背景には、業績回復を急務とする日産の現状があります。
需要の変化や市場の競争激化により、効率的な生産体制の構築が求められています。
このため、日産は限られた資源を最大限に活用するため、工場の統廃合を決断しました。
ですが、地元の経済や地域コミュニティへの影響が懸念されています。
特に追浜工場の閉鎖については、地域の活力が失われるとの声もあり、過去に閉鎖された村山工場の例が引き合いに出されています。
地元自治体や関連企業との協調が求められるなか、日産はどのような形でこの問題に対処していくのかが注目されています。
同時に、地域振興や雇用維持のための具体的な対策を講じることが求められています。
企業の構造改革は、単なるコスト削減にとどまらず、真に持続可能な経営の再構築へと向かうべきです。

3. 報酬問題と株主の反応

日産自動車の株主総会では、報酬問題が重要な議論の焦点となりました。株主たちは、特に前社長である内田氏が受け取った高額な報酬について強い批判を浴びせました。内田氏の総報酬額は3億9000万円で、そのうち退任時の報酬として1億7500万円が含まれていました。これに対し、一部の株主は会社の業績が低迷する中での高額報酬に納得できないとし、業績との連動性を求める声が上がりました。

さらに、取締役選任案に対する反対意見も数多く寄せられ、株主たちは企業の経営に対して直接的に意見を述べる場として株主総会を活用しました。特に、取締役の留任については抗議の声が高まり、株主たちはより透明性のある経営方針を要求しました。こうした反応は、企業の持続可能な成長のためには株主との信頼関係が不可欠であることを示唆しています。

4. 経営改善に向けた取り組み

日産自動車の株主総会は、特に厳しい緊張感の中で行われました。総会の中心にあったのは、経営改善に向けた具体的な取り組みです。特に注目されたのは、米国市場における関税対策と、高級車ブランド「インフィニティ」の強化策です。

エスピノーサ社長は、米国での生産車種に集中したマーケティング活動を行い、関税の影響を最小限に抑える方針を明らかにしました。これにより、クロスオーバーSUVや「インフィニティ」を中心とした新たな市場戦略を展開する計画です。この戦略により、米国市場での競争力を大幅に向上させることが期待されています。

一方、国内外での工場削減計画や、車両工場の統合が進められており、「追浜工場」や「湘南工場」が閉鎖の対象として取り沙汰されています。これに対して、株主からは地元経済への影響を懸念する声も多く上がりました。

経営改善のための改革は、多くの課題を抱えつつも進行中です。取締役報酬の見直しや、株主による報酬制度の改善要求が議論されましたが、企業価値との連動性が求められる声が強化されています。

こうした経営戦略の変革は、日産自動車が持続可能な成長を遂げるための重要なカギとなるでしょう。そして、株主と企業との間の信頼関係を如何に築き直していくかが、今後の焦点となりそうです。

5. 最後に

日産自動車の定時株主総会は、本社である横浜市にて開催されました。業績悪化や工場閉鎖、人員削減など、厳しいテーマが議論されるなか、イヴァン・エスピノーサ社長はまず業績悪化や工場閉鎖の決断を謝罪し、再建計画の理解を株主に求めました。株主からは業績悪化への不満や無配についての批判が噴出し、嵐のような雰囲気となりました。特に高額報酬の取締役への批判が集中したことは、今回の総会の大きな特徴です。

エスピノーサ社長は、今後の再建において7つの工場削減を計画していますが、具体的な工場名は明かされていません。現在、国内外の車両工場は17か所ですが、2027年度までに10か所に減少させる計画を発表しています。また、追浜工場や日産車体の湘南工場の閉鎖も検討中です。

株主たちは、地域経済への影響を懸念する声を上げており、「追浜工場が閉鎖すれば、町自体が打撃を受ける」という意見もありました。また、前社長の内田氏をはじめとする役員報酬についても多くの批判が寄せられ、特に業績との連動性の欠如が問題視されています。

会見での説明では、アメリカでのマーケティング活動に力を入れる方針が示され、特にクロスオーバーSUVや高級車ブランド「インフィニティ」に注力する計画が明らかとなりました。関税の影響を受ける現状を踏まえた戦略だといえるでしょう。

今回の総会では、会社提案の取締役選任案が可決され、一方で株主提案の多くが否決されました。特に、ストラテジックキャピタルからの非公開化や完全子会社化に向けた定款変更の要求も否決されています。これにより、日産の今後の経営戦略に対して、多くの株主が引き続き不安を抱いていることがうかがえます。

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