米国防長官の発言から見る日本と中国の歴史的関係

3月31日の中国外交部定例会見で、記者から訪日したヘグセス米国防長官が「『戦士』である日本は中国による侵略を抑止する上で不可欠なパートナー」などと述べたことについての中国側の受け止めを問う質問が出た。

これについて会見を担当した郭嘉昆（グオ・ジアクン）報道官は「米日間の軍事・安全保障協力は第三国を標的にしてはならず、地域の平和と発展を損なってはならない」と指摘。「米国はいわゆる『中国の脅威』を口実にイデオロギー対立をあおり、分裂と対立を助長し、さらには特定の国を米国の覇権維持のための捨て駒にしようとしている。地域の国々はこれに対して警戒を強め、厳重に対処すべき」と主張した。

また、「今年は中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利から80周年に当たる。日本は特に歴史の教訓をくみ取り、軍事・安全保障の分野において慎重に行動すべきだ」と言及。「台湾問題は純粋なる中国の内政であり、その解決方法は中国人自身が決めるべきことであり、他者の干渉は許されない」と強調した。

さらに、「米国の一部の人々には『台湾を持って中国を制する』という幻想を捨て、実際の行動によって一つの中国の原則および中米三つの共同コミュニケを順守するよう忠告する」としたほか、「日本はかつて台湾を侵略し、植民地支配を行い、中国人民に対して重大な歴史的罪責を負っている。日本は中日四つの政治文書の原則を厳守し、台湾問題において慎重に発言・行動し、『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを送らないようにすべきだ」と主張した。

中国のSNS・微博（ウェイボー）では「日本は中国人民に対して重大な歴史的罪責を負っている」がトレンド1位に。中国のネットユーザーからは「開戦前から侵略と言い出すとはね」「米国の発言は丸っきり根拠のない挑発。中国は平和的発展を続け、『侵略』との批判には反発する」「米国は日本を自分の手駒として使いたいだけ」「米国よ、約束だぞ。時が来たら必ず日本を（前線に）押し出してくれよ」「日本をたたくことにはこれっぽっちの罪悪感も覚えない」「武士の国（中国メディアは『戦士』の部分を『武士』と表現）に原爆を食らわせてやろうではないか」といった声が上がっている。（翻訳・編集/北田）