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2025年の日産株主総会は、6708億円の赤字を背景にエスピノーサ新社長が再建計画『Re:Nissan』を発表。工場閉鎖や人員削減を含む改革に株主たちの不満が噴出し、重要な試練となりました。

(出典 Pixabay:futuremoon)


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191キロバイト (22,323 語) - 2025年6月28日 (土) 00:43

 

1. 日産の巨額赤字の背景

2025年に行われた日産自動車の株主総会は、これまでになく波乱の展開となりました。その理由は、2025年3月期における日産の最終利益が6708億円の巨額赤字となったことに起因しています。このショッキングな数字を受けて、4月には経営体制が一新され、従来の社長である内田誠氏からイヴァン・エスピノーサCPOへとバトンタッチが行われました。

新たに就任したエスピノーサ社長は、日産の再建を目指すために、5月には『Re:Nissan』計画を打ち出しました。この計画には、国内外の工場を七つ削減し、総勢2万人の人員整理を含む大幅な構造改革が掲げられており、日産の再出発に向けた厳しい第一歩となりました。しかし、その大胆な内容ゆえに、痛みを伴う改革として多くの注目を集めています。

6月に行われた株主総会は、新たに社長に就任したエスピノーサ氏にとっても辛い試練の場となりました。日産は過去に“ゴーンショック”と呼ばれた経営危機を経て、再度の経営危機に見舞われており、株主たちはそれに対する不安と不満を抱えて総会に臨むこととなったのです。株価の低迷や配当の無配転落といった状況が続く中で、社外取締役を含む取締役会への信頼が揺らいでいたことも否定できません。

筆者もまた、一般株主として2015年から日産の株主総会に毎回出席しており、ゴーン元会長時代の懐かしい光景を思い出します。当時は筆頭株主のルノーの存在もあり、配当が手厚く提供される一方で、ゴーン氏自らが株主へのサービスに励んでいたことが印象的でした。しかし、2018年のゴーン氏逮捕以降、西川廣人元社長やアシュワニ・グプタ元COOの辞任を経て、日産の株主総会は徐々に緊張感を増す場となりました。最近では、再建への期待と批判が交錯する中で行われる総会が恒例となっています。

2. イヴァン・エスピノーサ新社長の試練

イヴァン・エスピノーサ氏が新社長として迎えた初めての株主総会は、予想外の波乱含みの展開となりました。日産自動車は2025年の最終利益において大幅な赤字を計上し、エスピノーサ氏は社長就任早々、厳しい目にさらされています。そして、彼は新たに発表した再建計画「Re:Nissan」において、国内外の複数工場と大量の人員削減を決断しました。こうしたドラスティックな改革には、株主たちからの信頼を得ることが求められます。しかし、株価の低迷や無配当転落が、株主たちの不満を引き出す要因となっています。

日産は過去に“ゴーンショック”を経験し、一度は危機を乗り越えましたが、その後の経営陣の不安定さは続いています。エスピノーサ新社長は、再び訪れたこの経営の危機をどのように乗り越えるのか、大きな注目を集めています。さらに、社外取締役を含む取締役会のメンバーに対する不信感も高まっており、経営陣への批判が株主総会全体を支配している状況です。

筆者は過去から日産の株主総会に参加しており、特にゴーン会長時代には株主との関係構築が進んでいると感じていました。しかし、ゴーン氏の逮捕以降、西川元社長の報酬問題や、幹部の多くが早期に退任するなど、経営体制の不透明感が増していました。株主にとって、再び訪れたこの試練を乗り越える日産の姿勢が強く求められています。

3. 日産の株主への対応の変遷

日産自動車は、かつてゴーン元会長の時代には株主との良好な関係を築いていました。
ゴーン氏は、ルノーとの連携を意識し、積極的に配当を行うなど、株主の利益を重視した経営を推進していました。
この時期には、株主懇談会が行われ、株主とのコミュニケーションも大切にされていたのです。
しかし、2018年のゴーン氏の逮捕以降、日産の株主総会は一変しました。
後任の西川廣人元社長時代には報酬問題が浮上し、更にはその後のアシュワニ・グプタ元COOの退任など、経営上層部の混乱が相次ぎ、株主総会では不満が募ることが多くなりました。
そして、今年行われた株主総会では、エスピノーサ新社長の進行のもと、再建計画が発表されるも、株主からの批判や動議が相次ぎ、長時間にわたる場となったのです。
こうした対応の変遷は、日産の経営体制の不安定さを浮き彫りにしています。

4. 株主総会での緊迫の模様

日産自動車の2025年株主総会は、多くの株主からの動議が相次ぎ、異例の3時間を超える長丁場となりました。
この総会は、エスピノーサ社長にとって初の大きな試練となり、その場での緊迫した空気を肌で感じることができました。
筆者も一般株主として出席し、その現場のリアルな様子を目の当たりにしました。
冒頭から白熱した議論が続く中、株主たちは社外取締役を含む取締役会メンバーへの不信感をあらわにし、経営の透明性や再建策の具体性について厳しく追及しました。
日産が2025年3月期に6708億円もの巨額赤字を記録し、社長の交代と共に再建計画「Re:Nissan」を発表した背景もあり、株主たちの関心は非常に高く、その声は厳しいものでした。
エスピノーサ社長は、これらの批判に対応するため、冷静かつ真摯に説明を試みるものの、その表情はどこか不安げで、時折自身のリーダーシップへの自信を欠いた印象を投げかけていました。
筆者をはじめとする参加株主の中には、社長の対応にやや頼りなさを感じる人も少なくなかったようです。
株主からの動議は、配当の再開や、取締役の報酬減額、さらには企業統治の改善を求める声など、多岐にわたりました。
これらの要求に対し、エスピノーサ社長は再建計画「Re:Nissan」の中で述べた、国内外7工場の削減や2万人の人員削減を含む改革への理解を訴え、日産の再興に向けた決意を強調しました。
この3時間にわたる激論の場は、株主にとっても日産にとっても重要なターニングポイントとなる機会でした。
今後も注目されるべき日産の取り組みと共に、株主の声がどのように経営に反映されていくか、筆者はその行方を見守り続けます。
今回の株主総会は、単なる意見交換の場を超えた、実際の改革を促す刺激的な場であったと言えるでしょう。

5. まとめ

日産自動車の株主総会では、経営再建の重要性が再認識される場となりました。
2025年3月期に巨額赤字に転落したことを背景に、エスピノーサ新社長が再建計画『Re:Nissan』を発表し、大幅な組織改編に取り組んでいます。
この計画は、国内外の工場閉鎖や大量の人員削減を含んでおり、長期的な視点での企業再生を目指すものです。
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