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恐ろしい…同窓会開催前、グループLINEで始まったマウント合戦。地方の国立大卒「月収45万円・40歳サラリーマン」が見た自己顕示欲の闇 | ニコニコニュース

 


(出典 upload.wikimedia.org)


 

「仕事はお金じゃない」とはいうものの、給与の高い・低いで多かれ少なかれ一喜一憂するもの。そんなサラリーマンの社会で「俺のほうがすごい」「いや俺のほうがもっとすごい」と繰り広げられるマウント合戦に、戦々恐々とする人たちの姿がありました。

グループLINEで始まる「年収マウント合戦」

厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(男性・正社員)の平均給与は月収37.6万円、年収619.5万円。また、大卒に限ると月収42.7万円、年収702.9万円が平均値です。自身の収入がこれよりも多いか少ないかで一喜一憂したり、他人と比べて優越感や劣等感を覚えたりと、給与によって心が乱されることは少なくありません。

石田大輔さん(仮名・40歳)は、最近、そのような体験をしたといいます。きっかけは高校時代の友人から持ちかけられた、卒業から20年ぶりの同窓会の話。

石田さんが通っていたのは、地元では進学校とされる男子校。進路は大きく、地元の大学に進学する「地元組」と、東京の大学に進学する「上京組」に分かれ、石田さんは前者でした。地元の国立大学に進学し、地元の大手企業に就職。「上京組」とは、学生時代には交流があったものの、社会人になってからはほとんど顔を合わせることがありませんでした。

軽い呼びかけで始まった同窓会でしたが、連絡手段としてグループLINEが作られ、参加を希望する同級生が次々と加わっていく――久しぶりのやりとりにLINE上でも会話が盛り上がっていましたが、次第に様相が変わっていきます。「今何してる?」という何気ない会話から、自己顕示欲の渦が巻き起こっていったのです。

最初のきっかけは、有名私大に進学し、外資系企業で働いていることをSNSで発信していた同級生の発言。「俺、XX商社で課長になったよ。年収もようやく2,000万円を超えた」とさりげなく自身の成功をアピールすると、別の上京組が負けじと発言。「うちはまだ小さい会社だけど、役員になった。自由な働き方ができるのがいいね」。さらに、国家公務員として省庁で働いているという上京組のひとりが公務員の安定性を強調すれば、公認会計士として独立したという同級生は「俺の場合、稼ぎに上限がない」と言い出し、会話の流れは「どれだけ自分の立場が優れているか」を競う場と化していきました。

同級生より給与面で見劣り…同窓会出席が億劫に

石田さんは、このやりとりの輪に加わらず、静観していました。地方の国立大学を卒業し、地元の大手企業に勤めるサラリーマン。月収は45万円、年収は700万円を超え、安定した生活を送っています。地元では決して悪くなく、むしろエリートと呼ばれる存在だという自負もありました。しかし、この会話のなかでは、自身の立場がどこか見劣りするように感じられたのです。

「みんなが凄すぎるというのもあったのですが、あのマウントの取り合いに、どこか恐怖に似たものを感じました」

同窓会という場では、どうしても「成功した姿」を見せたくなるもの。特にグループLINEのような文章だけのやりとりでは、収入や地位といった目に見える指標が強調されがちです。

しかし、外資系企業は確かに給与が高いものの、その裏には激しい昇進競争や成果主義プレッシャーがある。自営業やベンチャーの役員といった立場も一見魅力的に見えるが、収入が不安定である可能性が高い。地元組の石田さんは地味に映るかもしれないが、安定したワークライフバランスを確保しやすく、長年働くことで手厚い福利厚生を受けられる。何を重視するかによって、最適な働き方は変わっていきます。

「楽しみにしていた同窓会ですが、段々と、当日を迎えるのが億劫になりました」

このまま欠席してしまおうかと考えたといいますが、せっかく企画してくれた幹事の手前、思いとどまった石田さん。同窓会当日、久しぶりに顔を合わせた友人たちの姿を見て、LINE上のやりとりとは異なる印象を受けたといいます。マウント合戦を繰り広げていた同級生たちと実際に話してみると、仕事の悩みや家庭の話を率直に語る姿がありました。「結局のところ、みんなそれぞれの悩みがあるんだな」と思うと、自然と肩の力が抜けました。「自分にとっての成功は他人の評価ではなく、自分が納得できるかどうか。それに気づくことができただけでも、同窓会に参加してよかったと思います」

[参考資料]

厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査』

(※写真はイメージです/PIXTA)

(出典 news.nicovideo.jp)

 

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