《10万円の商品券報道》60%の人が“首相をやめる必要はない”と…それでも石破首相は辞めるべきだと考えるワケ「どっちみち使い捨てなのである」 | ニコニコニュース
最も読みどころだと思った調査結果
報道が出て数日後、各紙世論調査での政権支持率は軒並み下がった。
『石破内閣支持急落、26% 商品券配布「問題だ」75%』(朝日新聞)
『内閣支持最低31% 8ポイント減 商品券「問題」75%』(読売新聞)
しかし、最も読みどころだと思った調査結果は次だ。
《配布問題を受けて、石破首相は、首相をやめるべきだと思うか尋ねたところ、「その必要はない」60%が、「やめるべきだ」32%を上回った。》(朝日)
6割の人が首相はやめる必要はないという。自民党なら誰がやっても同じという見方だろうか。すると直後に商品券は岸田政権でも配布されていたことがわかった。安倍政権でもあったと議員が証言した。やはり10万円分程度だったという。となると自民政権の長年の慣習だった可能性が高い。世論は見抜いていたのかもしれない。ちなみに菅政権での手土産は「出身地の稲庭うどんか」という報道があり、急にうどんが食べたくなった。
ではなぜ石破政権だけ商品券の話がマスコミに出たのか? 問題発覚の前日には自民党の西田昌司参院議員が石破首相を徹底批判。「(昨年の)衆院選で負け、国民の審判が出ている。参院選の看板になるのはあり得ない」として首相の退陣を要求した。翌日の商品券報道に続く、きれいな流れとなった。
西田発言で興味深かったのは昨年の衆院選を石破首相で負けているという部分だ。少し記憶が良い方なら思い出すだろうが、自民党が選挙で負けた大きな要因は旧安倍派を中心とする裏金問題だったはずだ。
西田氏は安倍派出身であり、自身も安倍派から過去に411万円の「還流」を受けていた。だからどの口が言うのだろう。
私は石破首相は辞めるべきだと考える
私は昨秋、総裁になった石破氏を見て「誰が総裁になっても苦戦したであろう次の衆院選。負けたら石破氏の責任であり、勝ったら裏金問題は無くなると期待している人がいる。どっちみち使い捨てなのである。この状況にいつ気づくのか」と書いたが、やはりこういう状況になってきた。石破首相はやめる必要はないという60%の世論は、安倍派を中心とした石破嫌いに“商品券が使われている”だけとバレていたのかもしれない。
さてここまで書いてきたが私は石破首相は辞めるべきだと考える。辞めろではなく、辞めたほうが良いと薦めたいのだ。今スパッと辞めれば石破政権唯一のレガシーになるからだ。政治とカネのハードルは間違いなく今後厳しくなる。もうこれぐらいしか実績はのこせないのではないか。
思い起こせば、石破政権とは何だったのだろう。党内で嫌われている石破首相は開き直って自分の色を出していくかと思いきや、どんどん自民党に取り込まれた。首相就任直後に野党各会派へのあいさつ回りをした際に「石破カラーを出して頑張ってください」と声をかけられると、「出したらぶったたかれるでしょ」「出すと国民は喜ぶ、党内は怒る」とあっさり語っていた。この時点で石破首相になっても何も変わらないのだと感じた。
もちろんすべて激変させることは難しい。でも首相のあいだは何もしない、すべて取り込まれるというなら何のために首相になったのかわからない。石破氏は自民党の中では比較的、困っている人や弱い人に寄り添う立場に見えたが首相就任後はそんな姿を微塵も見せない。高額療養費引き上げの件、選択的夫婦別姓の議論、差別発言を繰り返す杉田水脈氏公認の件。悪いこと言わないからもう辞めたほうがいい。
仮にこのままずるずると続けて追い込まれて退陣したら誰も石破氏の言葉に耳を傾けなくなるだろう。どうせ自民党への提言や批判は営業用とバレてしまったのだから。なので今、石破氏は首相の座どころか政治生命の大ピンチなのだと思う。逆転があるとしたら今すぐ自分から辞めて「俺は10万円で辞めた、お前らはどうなんだ」と裏金議員を追及することだと思うのですがいかがでしょうか。
あと、今のままなら辞めたほうが良いと思う理由は嫌われ首相としての自覚が無さすぎるからだ。ほんの1年半前まで石破氏は総裁候補として終わった人だとみられていた。ところが自民党で裏金問題が発覚し、党内の端にいた石破氏に再び目が向けられた。
自民党がずれていることが可視化
裏金議員などからは恨まれるに違いない。そんな立場を十分わかっていれば慣例とは言っても商品券10万円なんて配らないはず。すぐにリークされるだろうからだ。
でも呆れてしまう記事を読んだ。日本経済新聞によると「いまの1年生は何を考えているのかわからない」。石破首相は商品券配布が表沙汰になったとの情報が入った13日夜、衆院当選5回の議員との会合でつぶやいたという。本当に「わからない」のだろうか? 自分は狙われているという危機管理が無さすぎないか。この甘さは他の政策や議論に影響しないだろうか。
ちなみに自民党幹部は「何かもらったら普通は黙っている。派閥がなくなり、新人議員に基本的な振る舞いも教える場がない」と話したという。記事のタイトルは『商品券配布、「永田町の常識」世間とずれ』(3月22日)。皮肉にも自民党がずれていることが可視化されてしまった。
それにしても石破首相こそ何を考えているのかわからない。長く取材しているジャーナリストに聞くと「石破さんは自分が意図してないのに『結果的にこうなっている』ということが多い」という。衆院選での裏金議員処分も安倍派潰しだという声もあったけどそんな芸当はできないと。国会での「熟議」も少数与党なので結果的にそうなってるだけだと。
これを聞いて、まるで里に迷い降りてきたクマが意図してないのに村を騒がせているように思えた。考えてみれば今回の商品券問題も自分だけでなく自民党全体の実態を暴くことになった。大騒ぎである。もし石破氏が首相を続けるのなら、結果的にすべてを晒してしまう“全裸芸”をとことん追求すべきではないか。もうそれしかない。
◆◆◆
文春オンラインで好評連載のプチ鹿島さんの政治コラムが一冊の本になりました。タイトルは『お笑い公文書2025 裏ガネ地獄変 プチ鹿島政治コラム集2』。
(プチ鹿島)

![]() |
margarine
そりゃそうだ。こういう法的にグレーな事で騒ぎすぎるのは馬鹿らしい。グレーだから許すべきという意味でなく、過去全て遡って警察の捜査等入る見込みはまずない為に、現野党含めて誰がやって誰がやってないか永遠に証明されないからだ。結局、報道機関がどこにどこまで突っ込むかの匙加減で決まる根拠も曖昧なイメージだけを押し付けられることになる。世論操作にあまりにも都合が良い |