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「脱いだ靴」を見て結婚相手を決めた…実家暮らしの婚活女性(40)が見逃さなかった"男性のさりげない所作" | ニコニコニュース

 


(出典 upload.wikimedia.org)


 

幸せな結婚をするためには、どんな相手を選んだほうがいいのか。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんは「ある日、実家暮らしを続けてきた40歳の女性が訪れた。典型的な『子供部屋おばさん』だったが、一人の男性と出会い大きく変わった。結婚の決め手は『脱いだ靴』だった」という――。

※なお、本稿は個人が特定されないよう、相談者のエピソードには変更や修正を加えている。

■40歳、専門卒、年収300万円の実家暮らし女性

都心生まれ、都心育ちのごく普通のアラフォー女性の中には、「これまで一人暮らしをしたことがない」という方も少なくない。

ごく普通に自宅から学校に通い、就職してからも当然、自宅から通勤。よほど自立心が強いとか、自宅が狭いとか、親が異常な過干渉だとか、会社からの家賃補助が手厚いとか、所得が高いとか……相当な理由がなければ、実家をわざわざ出てまで一人暮らしを選ぶ選択肢はないのだ。

今回紹介するのは、40歳、専門卒、職業エステティシャンの女性。年収300万円弱で、実家住まい。兄と姉がいるが、それぞれ結婚して所帯を持ち、独立している。実家に残っているのは、末っ子の彼女だけだ。

彼女はずっと安全な実家で家族の愛情に包まれたままオトナになり、仕事から帰れば温かいご飯がある。外に洗濯物を干して出かけ、雨が降ってきたとしても慌てて帰る必要もない。友人との予定がない週末は親とショッピングや外食に出かけ、いくつになってもたまに親に洋服を買ってもらえる。外食の払いだって、当然親がかりだ。

ママとは仲良しだから、習い事のフラダンスやゴルフスクールにも一緒に通う。会社の飲み会で帰宅が遅くなれば、パパが車でお迎えに飛んでくる。こんな申し分のない実家暮らしは生まれたときからずっとそうだった。彼女本人も、ましてや親も「これでよいのか」などと、疑問に思うこともない。

■気づいたらアラフォーになっていた

少し前の昭和の価値観なら、いつまでも嫁に行かない娘が自宅にいるのは「世間体が悪い」と言われるところだが、今は令和だ。“適齢期になれば結婚すべき“という価値観は薄れ、自宅に家族仲良く暮らしていることが周囲からうらやましがられたりすることさえある。

娘がアラフォーともなると両親もそれなりに歳を取り健康面に問題が生じるが、結婚しない娘の将来を心配しつつも、心のどこかでありがたいと感じていたりする。

彼女の学生時代は、片思いで好きだった男の子がいたらしい。だが、恋愛と呼べるようなお付き合いはしたことはないし、好きな芸能人の「推し活」にハマり、それなりに楽しんでいる。

友人は地元にも職場にもいるし、推し活仲間もたくさんいる。恋人がいないことを寂しいと思ったこともない。アラサーのころは友人に誘われて「合コン」に出かけたことも何度かあったが、世界中を襲ったあのコロナ禍で、そんなお誘いもぱったりとなくなった。そこから数年が経ち、気が付けばアラフォーになっていた。こんな“子供部屋おばさん”が、私の結婚相談所を訪れた。

■“普通の”同僚が「ハイスペ」と結婚したと聞いた

その理由は、職場の同僚の女性が結婚相談所に行き、わずか数カ月で高学歴高年収のハイスペック男性と結婚したという噂を聞きつけたから。とはいえ、実のところこの彼女、「何としても結婚したい」という決意などは持ち合わせていなかった。

だって、1年365日、適温に保たれた快適な実家暮らし。親から「結婚せよ」とせっつかれているわけでもないし、心のどこかにいつか結婚しても良いかなと思う気持ちがちらついても、焦る気持ちなどどこにもない。

だが、どこにでもいそうな普通の同僚の突然の結婚宣言には、度肝を抜かれたのである。同僚は、容姿が特別良いわけでもなく、ごくごく平凡な家庭で育ってきた人だった。

「お子さんは希望されますか?」

この質問に、ほとんどのアラフォー女性は「欲しい」と回答する。彼女も同様に「欲しいです」と答えた。

結婚して子どもを望むならば、1日でも若いことが大事。アラフォーで結婚し、40歳を過ぎてから第1子を授かる女性もたくさん見てきたが、長い時間不妊治療に苦しんでいる方も同時にたくさん見てきた。彼女が結婚して子どもも望むのならば、1分1秒が大事になる。

■「50歳以上」から多くの申し込みがあったが…

結婚相談所で婚活をするためには、独身証明書や住民票などの公的書類を提出する以外に、プロフィール用の写真が必要である。素早く予約し、とびきり可愛く見える写真を撮ってもらった。プロの手にかかれば、ごく普通の女性もキラキラと輝くような雰囲気に仕上がるから、この婚活写真マジックには毎回驚かされる。

彼女もそれはそれは“素敵な女性”に写してもらった。この写真とともに、人柄の良さを最大限に記述したプロフィール文を作成。入会希望から10日間というスピードで結婚相談所デビューした。

結婚相談所に入会すると、「入会バブル」と言われるお見合いの申込みラッシュがほとんどの方で起こる。何百と来る方も少なくないが、おおむね10件以上はお申込みをいただける。結婚相談所で婚活している方々が、毎日サイトをチェックして、新規入会者のリストに登場した方に積極的に申し込みをするからである。そして、スペックおよび人柄が素晴らしい方は、光の速さで成婚退会していくのも事実として起こる。

そんなわけで、彼女にも数十件のお申し込みが来た。彼女は40歳だから、50歳以上の男性からの申し込みがかなりあった。中には、1000万円以上の高年収の男性もいて、条件的には申し分ない方もいたが、髪が後退している方や顔の造作へのチェックは厳しかった。特に彼女は年齢が離れた方にはひどく嫌悪感を抱くようで、自分の好みでない男性からのお申込みには、「無理、無理、無理~」「キモいです」を連発した。

■重視したポイントは「さわやかなルックス」

確かに、結婚相談所において、お見合い結婚のカップルの年齢差は圧倒的に2歳くらいまでで、開いていても4歳差程度だ。60歳手前の男性からのお申込みも何件か入ったが、「無理、無理、絶対に無理~」という彼女の声には少し怒りも感じられた。

婚活する方は「相手に希望する事柄」がある。それは年収だったり、婚歴だったり、年齢だったり、居住エリアだったりとさまざまだが、彼女は学歴や年収にはさほど重きを置いていないようだった。彼女が受けるお見合いやお申込みを見ていると、重視するポイントは「さわやかなルックス」の一択であった。

彼女は、あっという間に結婚相談所でハイスペック男性を射止めた同僚をうらやましがっていたから、年収を重要視するのかと思っていたが、違っていた。暮らしに必要なお金など年収にこだわるアラフォー女性は多いが、彼女は実家暮らしでお金に執着してこなかったからか相手の年収には全く興味を示さない。

また、切羽詰まった結婚願望もないから、彼女は本当に結婚まで行きつけるのであろうか? とも心配していた。恋愛経験が少ない男女によくみられる「見た目重視派」の婚活は苦戦を強いられることが多いので、道のりは厳しいものなるに違いないと私は思っていた。

「この方は、住まいも近いし、年収も高いですよ」とか「●●大卒で、安定した会社にお勤めですよ」などとおすすめしてみても、彼女は写真だけの判断で「無理、無理、無理~」と叫ぶ。

■「仮交際」は一般的な「交際」とは違う

まあ、その気持ちも理解できなくはないので、彼女の受けたいお見合いだけをしたら良いし、見た目重視で構わない。だけど、当然ながら見た目が良い方は、婚活市場で激モテする。ライバルが多数現れ、こちらが悲しい思いをすることもある。そんな場面をいくつもみてきたから、彼女に傷つくようなことがないと良いなとも思ったが、まずは会いたい人だけ会うところから始めよう。「無理、無理、無理~」も聞き飽きたし……。

結婚相談所のお見合いは、ホテルのラウンジなどでお茶をしながら1時間ほどの顔合わせをすることが多い。その後、お互いにもう一度その方と会ってみても良いと思えば、仮交際と呼ばれる次のステージに突入し、ランチなどのデートへと交際が始まる。交際と言っても普通の恋人のような交際ではなく、「結婚するかもしれない友人」というレベルでの仮交際である。何人とでも同時進行ができ、仮交際中は新たなお見合いもできる。

「仮交際」とは、「交際」の名がついていても、一般的な男女の交際とはまったく違う。言い換えれば、ついこの間、1時間お茶をしただけの人。お互いに「もう一度くらい会ってみても良いかな」と思う程度の気持ちであるのがほとんどである。だから、ほとんどの方が、複数人の異性と仮交際をしている。つまり、「この人だ」と運命を感じて仮交際している人など、ほぼいないと思ったほうが良い。

■女性は”好き”になるまで時間がかかる

結婚相談所のお見合いで出会ったとしても、当然ながらお互いが「好き」という気持ちにならなければ結婚はできない。女性から見て年収が高い、一流大学出身などといった条件が整っているだけでは、一生添い遂げる決め手にはならないのである。

一方、男性側からすると、女性の年収や学歴は気にならないわけではないが、それよりも圧倒的に見た目が好みであるとか、愛嬌があるとかが優先される。特に、好みのルックスにはめっぽう弱い。

一般的に、女性のほうが相手を好きになるまで時間がかかる。男性は見た目が好みで感じが良い女性をコロリと好きになる傾向があるが、女性はどうしても好きになるまでに時間を要する傾向にある。

だからお見合い後、仮交際になって、男性がグイグイとアクセルを踏んで突っ込んでいくと、女性にドン引きされてあっという間に交際終了宣言を出されてしまう。結婚カウンセラーは、男性が一方的にお熱を上げるようなことがあると、その手綱をぐいと引いて引き留めにかかる。時間をかけてお付き合いしていくことが何より大事なのである。

■年収900万男性に、すぐ恋をした

初のお見合い相手は、5歳年上の大学卒、年収900万円の初婚男性。彼女は、お見合いのその場、その瞬間に恋に落ちた。イケメンではないものの、颯爽とした雰囲気。お見合いを受けたのも納得できた。

お見合い後、私のもとには熱に浮かされたかのような声で電話がかかってきた。「素敵な人でした。交際を希望します」。まさかこのとき、恋をしてしまったとは気づかなかった。恋愛経験がなく、恋愛の免疫がないともいえる彼女は、めちゃくちゃ「惚れっぽい女性」であったのだ。「無理、無理、絶対に無理~」を連呼していた彼女はもういなかった。

幸い相手からも仮交際希望が届き、私も喜んだ。仮交際になれば、必ず1度はデートをしなくてはならないというルールがある。お見合いの翌週には、この彼と初デートとなった。

場所は、銀座のカジュアルフレンチ。普段はほとんどお酒を飲む機会がないという彼女は、たった一杯のワインで顔が真っ赤になり、頭もポーっとしたという。ポーっとなったのは、ワインのせいか彼への想いからかわからないが、デート後に彼女から電話を受けたときは、明らかにいつもよりずっとハイテンションであった。

「めちゃくちゃ楽しかったです!」

明るい声でデート報告が来た。あんなに「無理、無理、絶対に無理~」と叫んできた女性と同一人物とはとても思えない。彼を気に入っていることはこの上なく喜ばしいことだ。男性を好きになりにくいと言われている女性が相手を好ましいと思うことは、婚活には悪いことではない。

■「ほかのお見合い相手」を探す気持ちが一切ない

ただし、交際はまだ始まったばかり。先述の通り、結婚相談所の仮交際は複数の相手と同時に交際をしていくので、お相手男性には別の仮交際相手がいる可能性もある。彼女がライバルに競り負けた場合は、とても悲しい思いをする可能性か高い。だからこそ、こちらも同時進行で別の仮交際相手を作り、冷静に相手を見ていけるのが良いと思い、別のお見合いもしていくことを提案した。

だが、彼女はそれをきっぱり「嫌です。●●さんとお付き合いしていますから」と、新たなお見合いをする気持ちが一切ない。私がいくら「仮交際は恋人ではない」こと、「結婚するかもしれない知人というレベルである」ことを伝えても、耳に入っていないようだった。

仮交際になれば、毎日LINEでやりとりすること、週に一度デートすることを勧めている。彼女は、出会ったその日から超追いかけモードに突入してしまった。毎日、朝晩と相手にLINEし、返信が来ないと私に「どうしましょう。不安です。次に何と書いたらいいでしょう」と相談が来る。

「LINEはやり取りするもので、一方的にこちらから送るのは印象が良くないですから、もう少し待ちましょうね」と、毎日のようにアドバイスを繰り返した。

■「気持ちがついていかない」と断られてしまった

彼女の話を聞いていると、これはまずいな、「重いオンナ」と思われてしまうな、相手に逃げられないと良いな……とハラハラした。だが、なんとか2回目のデートの約束を取り付けた。

良かった、2回目までつながった、と胸を撫で下ろしたのもつかの間、2回目デートの翌日には、先方カウンセラー経由で「交際終了」の連絡が入ってしまった。「良い方でしたし、積極的にお付き合いいただいたようですが、当方の気持ちが追いついていかないと感じたようです」とのコメントが記載されていた。

やっぱりそうか。あのテンションなら相手が逃げたくなってしまうのも仕方ない。彼女の落胆ぶりは言うまでもないが、誠意ある交際終了である。結婚する気持ちになれないのにダラダラと長い時間仮交際することは、相手の時間も奪うことになる。ならば、早い判断をもらうほうが、よほど良い。結婚相談所の婚活は、時間がとても大事なのだから……。

結婚相談所の婚活が「辛く疲れるものである」理由の一つに、短期間で出会いと別れを繰り返していくことがある。出会い、恋に落ち、失恋するということを数週間の間に繰り返すのは、しんどいに違いない。とはいえ、結婚しようと始めた婚活。一度の交際終了で、婚活から一発退場すべきではない。

■「年収400万円・専門卒のさわやか男性」に引き寄せられた

たった半月ほどで出会いから、短期間とはいえ交際し、失恋を経験した彼女を立ち直らせるには、新たな出会いの場を作るしかない。「新しい恋こそが特効薬」なのだ。

彼女は婚活を始めてまだ1カ月。お見合いの申し込みも最初の一週間から比べると少なくはなるが、ポツポツとは来る。「この方、いかがですか?」とおすすめしても「無理、無理、絶対に無理~」の連発は止まらないものの、私も諦めるわけにはいかない。あらゆる角度からお申込みいただいた男性の利点を伝え、彼女にお見合いをサジェストする。

そんな攻防戦を繰り返す中、1つ年上、年収400万円、専門卒の見た目さわやかクンからのお申し込みが入った。年収1000万円を超える好条件男性からのお申込みがいくら届いても、彼女には響かない。40代、年収400万円という男性は、婚活ではどうしても見劣りしてしまうのだが、彼女は年収にはこだわっていない。だって重視するのは「見た目」だけであるから。彼は決してとびきりのハンサムではないけれど、清潔感ある雰囲気がプロフィールから感じ取れた。

さわやかクンからのお見合いを受諾し、仮交際になった。今回は、まさか前回のように瞬間湯沸かし器のように好きになり、相手が負担に感じるような交際にはなってほしくない。「経験は糧」である。追いかけすぎて失敗した経験が彼女の力になりますようにと祈った。

■いきなり「長時間デート」を約束してきた

彼女の仕事は平日休みが多いので、なかなかデートの時間が取れないかと心配していたが、お相手はわざわざ有給を取ってくれて、翌週にはデートの日程も決まった。初回のデートは、2時間程度でランチをするくらいの軽いデートがおすすめだ。遠出などの長時間デートは好ましくない。

だって、ついこの間、お見合いでたった1時間お茶しただけの相手と終日一緒に過ごすなんて、お互いの嫌な部分を発見してしまうかもしれないのだ。そうなれば、交際終了のリスクが高まる。こういった初デートの過ごし方なども、婚活をうまく進めるための戦略の一つだから、私はいきなり長時間のデートは勧めていない。

だが、彼女は初デートながら、長時間デートの約束をしてしまった。行き先は、神奈川県三浦半島の三崎港。2人で電車に乗って、マグロ丼を食べに行くのだという。

いくら彼が有給を取ってくれたとはいえ、私も諸手をあげて賛成できるプランではないと話したものの、彼女は聞く耳を持ってくれなかった。まあ、それも仕方ない。彼女の休みに合わせてくれた相手に感謝もある。彼女も前回の失恋経験で一回り成長して相手と向き合うであろうとも、どこかで思っていた。

2人は電車とバスを乗り継ぎ、三崎へ行ったそうだ。三崎港には美味しそうなマグロを中心とした海産物が売られ、マグロを出す寿司屋やレストランもある。2人で港をブラブラし、評判の良い店でマグロ丼を食べたそうだ。さらに城ヶ島海岸まで移動し、散策を楽しんだという。

■またもや、すぐに「恋をした」

早朝から待ち合わせした2人が帰宅したのは、とっぷり日が暮れてからだった。彼女からデートの報告が入った。

マグロも美味しかったし、手も繋いで散歩して、すごく楽しかったんです」

彼をほめちぎり、明らかにウキウキモードであることは、声を聞くだけでわかった。彼女は失恋からすっかり立ち直り、またこの彼に「恋をした」のである。

こんなにも「惚れっぽい」のは、彼女の理想が低いのか、恋愛経験が乏しいからなのか、相手が本当に素敵な男性なのか……。当然ながら、相手が素晴らしい人柄の方であることを願わずにはいられなかった。

「惚れっぽい女性」は、婚活において非常に強いことは間違いない。その理由は、例え結婚相談所での出会いだとしても、お互いに好きにならなければ結婚は難しいし、実際に結婚していくカップルもそうだからだ。

先述の通り、男性は比較的、女性のルックスや優しい気づかいにコロリと落ちる。だが、女性はより結婚を現実的に考えているのか、簡単にはお見合い相手を好きにはならない方が多い。「結婚生活」を慎重に考えすぎるがあまり、短時間で「えいやっ」と飛び込む決心がつかない気持ちはよくわかる。だが、結婚相談所の婚活では、仮交際になったら短期間で結婚するかしないかを判断する必要がある。

■彼は“自分にないもの”を持っていた

「この人どうだろう、大丈夫かな、もっと良い人いないかな」などと決断できないままでいると、こちらを向いていたはずのお相手男性もしびれを切らし、同時進行中の別の女性を選ぶこともある。「仮交際」とは、見えないライバルとの戦いでもある。好きになれない、決断できないと時間ばかりが過ぎていく女性は、婚活が長引く可能性が高い。

そんななか、彼女のような女性は貴重と言えた。この彼ともう2回ほどデートをした段階で、「彼としか結婚したくありません」とまで言い出した。確かに聞けば聞くほど、穏やかで優しい、性格の良い男性であった。だが惚れっぽいとは言え、一体どんなところに引かれているのかも聞いてみた。

デート先の日本料理店で、靴を脱いだら彼のほうがサッと靴をそろえてくれた。決して高い所得がある男性ではないのに、デートでは彼がおごってくれた。彼女の良いところを、たくさん言葉にして伝えてくれた。彼女が仕事の愚痴を言っても、共感して優しく聞いてくれた。約束の時間に彼女が遅刻してしまった時にも、穏やかで、怒ることなどなかった。彼女の好きな食べ物を出す店に、彼女をエスコートしてくれた……。

特に好きになったのは、「感情的にならない人だったから」だそうだ。

■彼と出会って、自分の幼稚さに気付いた

彼女は、どちらかというと感情の起伏が激しいタイプの女性であるが、彼とお付き合いするようになってから、仕事の相談などをすると毎回「感情的にならないほうが良いよ」とアドバイスされたとのこと。

彼女は仕事でトラブルなどに見舞われても冷静に対処できるようになったそうで、職場での評価もぐっと上がったという。

「彼のおかげで、私の幼稚さに気が付かされたんです」

2人で撮ったツーショット写真を見ると、もう前々から付き合っている恋人同士のように見えた。ならばと、お相手の結婚相談所のカウンセラーに真剣交際の申し入れをすると、いたく感謝され、大歓迎された。

「ありがとうございます! 彼はとても良い青年なんですが、年収が低いから結婚になかなか至らず、苦戦していたんです。本当にありがたいお話です」と返ってきた。

いよいよ結婚に向かって動き出した。結婚相談所のルールでは、お見合いから結婚までは3カ月を目標に交際することになっており、長くても半年以内となっている。彼と会ってからまだ1カ月だが、子どもも希望するなら結婚は1日も早いほうが良い。そして、あれよあれよという間に話は進み、ついにはプロポーズを受けた。

■高年収・高学歴よりも「人柄ハイスペック」

彼女のお相手は、とりわけ婚活市場では“好条件のハイスペック男性”とはいえない。2人の年収を合わせても700万円弱。共働きなら不自由はないだろうが、彼女が妊娠して働けなくなれば、彼だけの収入になることだってある。

だから、彼だけの収入になっても暮らしていけるように、住まいも都心から離れた郊外を選んだ。最寄駅からは徒歩20分ほど、築年数も古くて家賃も安い。

「お金はたくさんなくても良いんです。2人で節約しながら身の丈に合った生活を楽しみます」

そう話す彼女には、後光がさしていた。「男性の年収は1000万円以下なんてありえないです」などと豪語し、婚活期間が無駄に長引いてしまう人たちに聞いてほしい言葉でもある。

こうして彼女は入会から3カ月後に、成婚退会することになった。「惚れっぽいオンナは婚活で最強」だ。彼女の惚れっぽさが功を奏して引き当てた「人柄ハイスペック」男性とのご縁である。

子供部屋おばさん」だった彼女は、人生で初めて実家から離れて暮らし、いまは大好きなご主人とラブラブで幸せな毎日を過ごしている。1日も早く、幸せな2人に「こうのとり」からお届けものが届きますように……。

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大屋 優子(おおや・ゆうこ
結婚カウンセラー
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

(出典 news.nicovideo.jp)

NAROWU NAROWU

産廃を婚活に放ってはいけない

ゲスト ゲスト

結婚してしまえば離婚しても関係無いよな。欲を出して破綻する場合も有り。

wahu wahu

40で婚活、41で結婚、42で順当に妊娠出産できるといいですね。そして初産なので高齢出産で様々なリスクがあると。確かダウン症リスクは婚活時点の40歳で100分の1ですね。うまくいかず45歳にもなると、30分の1ですね。このハイリスクの壁の突破、頑張ってくださいね。

wahu wahu

世の中の婚活売れ残り女さんは理解した方がいいよ。高望みしている場合ではないのだと。

ゲスト ゲスト

ママが物心つく頃にはおばあちゃんに近い年齢だと高校生くらいになる頃にはちとつらいな…

 

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